今日は私の趣味について語ろう…
フルートを始めたのは30歳過ぎ。
末の子供が幼稚園に入園する際に「『空きの巣症候群』にならないようにしよう」と考え、何か習い事を…と思って始めた。
近所にレッスンしてくださる先生を見つけ(レッスンに通えば嫌でも練習すると思った)ゆるゆると始めてもう20年になる。
習いはじめの頃は友達が貸してくれたムラマツのEXを使っていたのだが、「やっぱり私もやりたくなったから返して〜!」と言われて返すことになった。
仕方がないのでなけなしのヘソクリをかき集めて、師匠に「20万くらいのフルートを買ってきてください」と、お願いした。
今思えばよくそんなテキトーなお願いをしたもんだ…当時はワンオペ育児で楽器を選ぶ時間も買いに行く時間もなかったし、フルートについての知識が全くなかった。
師匠が山野楽器で買ってきてくれたのがサンキョウフルートのエチュード(リングキイ)だった。
師匠曰く「サンキョウの方が音色が明るくあなたの性格に合っている。リングキイの方が音の抜けがいいし、学生時代クラリネットやってたなら穴あきは慣れてますよね?」とのことで、エチュードはEメカというのがもれなくついてるから音が出しやすいはずだとも言った。
サンキョウのエチュードは確かに音色が明るめで吹きやすく、おばさんの私でも若めな音が出ていると思う。師匠の読みは正しかった。
フルートのお陰で空きの巣症候群になることなく、レッスン代を稼ぐためにアルバイトもし、忙しい中にも子育ての平穏を保つことができた。音楽って素晴らしい〜
あれから20年、調整もまめに出し、メンテナンスをしてはいるがずっと同じ楽器でいいのだろうか?(いいわけなかろうよ)
アルバイト代もちょっとずつ貯まってきたし、そろそろ新しいの買った方がいいのかな?
と、師匠に何気なく話したところ
「そうですね〜そろそろ楽器をグレードアップしましょうよ!楽器屋さんを紹介しますよ!」
ウキウキ気味に言う。
師匠の指定した楽器屋に行くと、師匠の方が先に来てルンルンで試奏してる…
師匠が洋銀のエチュードの次は経験年数と年齢と予算を考え、次は中古でも総銀がいいだろうと、楽器屋さんにお願いしていくつかのメーカーの中古の程度の良い総銀フルートを集めてもらっていた。中古とはいえ、総銀は高い〜
今までフルートメーカーといえば、ムラマツとサンキョウとヤマハくらいしか知らなかったのだが、他にもいっぱいあるということをこの時知った。
パーカッションでお馴染みのパールとか、リコーダーの会社だと思ってたアルテスとか。
10本あるうちの半分以上はムラマツとサンキョウで他はパールとアルテスと他にパウエルというのがあった。そういえばヤマハは1本もなかったな…
先生ウキウキ試奏のもと、私も吹いてみるが
どれも音は出るけど、相性ってあるんだな!と、初めて思った。
パールはステキな妖精のような音が出るけれど、抜けが良すぎて私が吹くと小娘がキャーキャー言ってるみたいになり、アルテスは隙間風みたいな音になってしまい(アルテスに罪はない)、師匠とも「これは合わないね」ということになった。
師匠が吹くと何でもおステキな音になるんだけど、私が吹くと「これは音かな?⁇」ということもあり、絞りに絞ってムラマツとサンキョウとパウエルが残った。
師匠と2人、試奏室でわーわー言って楽しかった。師匠も色んな楽器吹けるから楽しそうだった。
絞りに絞って、どれを買ってもおんなじだな!と思うまで絞ったんだけど、ムラマツを知り抜いている師匠は「ムラマツは沢山流通してるから買おうと思えばいつでも買える(お金があれば)サンキョウだとただの今までの延長になりますよ」とアドバイスをくれて、それもそうだよな〜と思い、吹いた時の抵抗感がよかったので(抵抗感がある方が好きなんだ)思い切って全然知らないメーカーで予算オーバー気味のパウエルにしました。
迷いを振り切り、ちゃっちゃかカード払いののち、師匠とランチして帰宅したものの、パウエルってなんやねん?知らんがな(何故か飛び出る関西弁)中古なのにやったら高いし…
(貯めてたバイト代一気に吹っ飛んじゃったよ)
会計を待つ間店内をウロウロすると、パウエルの新しくてたっかいのがいっぱい陳列してあるじゃないか。最高700万円のがあった🤭
(700万円!ちょっとした高級車1台分…)
今まで見てみぬふりをしていたフルートの世界はなんとも奥深いのであった。
パウエルなんて、全く知らないメーカーだったのでそこは検索するよね。
パウエルフルートはアメリカはボストンの老舗フルートメーカー。
アメリカがフルートの一大産地とは知りませんでした。サックスは知ってたけどね、セルマーとか…アメリカのイメージ変わったわ〜
ということで、我が家に初!アメリカ産の楽器がやってきたのであった。
よくよく吹いてみると落ち着いた音なんですね。大人〜というか…
沢山息を入れないと…というネットのご意見もあり、私の肺もつかしら〜?体にはいいかな?
なんだかんだ言いつつも、私なんか新品のパウエル買ったら(高いから新品は買えませんけどね…)吹きこなせないまま寿命が来そうなのでこれで充分。
あと、パウエルで驚いたのはキータッチが軽い〜軽いからギューっとキーを押さなくなりました。握力弱ったおばさんにはちょうどいいのかもしれん。
今回はフルートの世界は奥深く、メーカー、お値段、材質、色々あるんだな〜ということを学びました。
あと、ヨーロッパのメーカーが少ないのね。ヨーロッパ発祥なのにね〜
大して上達しないおばちゃんには不相応な楽器をゲットしちゃったけど、これをモチベーションにまた少しずつ精進を重ねたいと思います。
ご清聴ありがとうございました。
追記
今回購入したフルート
パウエル シグネチャー
(Eメカ付いてるかどうか不明…)
お値段はナイショ
中古なので新品よりは勿論お安いですが、それでもマニアでもないおばちゃんには高かった…
ケースが木製で重い…もっと軽いのないのかな…?ケースだけ買い替えようか…
結局、日本フルートメーカーの大御所、ムラマツフルートを購入することなく私の人生は終わりそうです…宝くじ当たったら買えるかな…
……ふと考えたんだけど、フルート教室のおじさんたちは一体おいくら万円のフルートを持っているのだろう…男性って趣味にお金つぎ込むところあるじゃないですか…興味深い。
発表会の時とかに聞いてみよう…